第98回いわき市医師会常磐医学会
医療専門職からの報告
クリニックにおける特定医療行為認定看護師としての実践
1にむら甲状腺と消化器クリニック 看護師
2にむら甲状腺と消化器クリニック 医師
3にむら甲状腺と消化器クリニック スタッフ
蛭田博恵1、二村浩史2、遠藤富三1、國玉有佳理1、國玉将輝3、合津千尋3、北村恵智子3
【はじめに】瘻孔管理、創部ドレーン管理に関する特定医療行為の資格を取得し、総合病院で実践してきた。2021年4月からクリニックで勤務をしており、これらの行為をクリニック内でどのように実践しているかを報告する。
【方法】胃瘻交換に関しては、下部消化管内視鏡検査を施行している木曜日、患者が混雑する土曜日を除いた月曜、火曜、金曜と週3回行っている。午前診療終了後に2~3件ずつ行っている。胃瘻交換では、ボタン型の場合は日本消化器内視鏡学会専門医が交換している。バルン型の交換は、特定医療行為認定の演者が行っている。患者をクリニックに連れてきてもらい、安全のため胃瘻交換後ガストログラフィンを用いたレントゲン撮影でバルンが胃内に挿入されていることを確認し、読影は医師に確認してもらっている。ボタン型は半年おき、バルン型は5週間おきに交換している。創部ドレーン抜去に関しては水曜日に常磐病院で甲状腺・副甲状腺の手術をしており、術後第2病日の金曜日に退院し、午前の外来患者の少なくなる11時30分頃クリニックに来院してもらい、創部の状態、排液量と性状の確認後ドレーン抜去をしている。
【結果】胃瘻交換は、開院後2023年1月までの1年10か月でのべ119人に施行した。SBドレーン抜去は、開院後2023年1月までに常磐病院で甲状腺・副甲状腺手術を施行した48人中45人に対して日本内分泌外科学会指導医のもと施行した。
【まとめ】特定医療行為認定看護師が行うことで、胃瘻交換に関しては、皮膚トラブルの有無や埋没状態の確認ができた。また施設および家族への管理上の注意点などの指導もできた。創部ドレーン抜去に関しては、術者と手術に帯同している演者が抜去しているので患者から安心できるという声を聞くことができた。創部のケア、術後ストレッチについても患者への指導が細やかにできた。クリニックでも特定医療行為は十分に行うことができる。今後胃瘻交換の依頼がありましたら当クリニックまでご連絡ください。